企業訪問

【20.12.01】事業承継(53)

創業者として『地元に根付く商品』を大切に

 \; 株式会社金澤ブルワリー 
代表取締役 鈴森 由佳 会員

 同社は、クラフトビール(地ビール)の製造販売で常時8〜10種類に加え、期間限定、数量限定商品も取り扱っています。昨年よりOEM製造、ラベルに社名を印刷したオリジナル商品の受注が増えています。
 2年間のカナダ留学で、人々の生活に密着したその地域でしか生み出せない多種多様な味のクラフトビールに出会い、とても飲みやすく興味を持ったことが創業の原点でした。帰国後、改めて故郷である日本、そして、金沢への誇りを強く感じ、この石川の地元に携わり貢献できることがしたい!との思いから、2015年北陸新幹線が開業した年に同社を設立しました。
 その後、先の見えないゼロからのスタートで精神的、肉体的にも辛い日々が続きましたが、試行錯誤を繰り返しようやく金沢で初めての醸造に至りました。ラベルには金沢らしい水引や金箔、王冠には金沢のマスコットキャラクターひゃくまんさんを使用し販売しました。
 皆様に届けたい味を生み出せるよう、日々学び精進する中、春先からのコロナ禍による外出自粛の影響を受け工場を1ヶ月停止、スタッフも週に1日の勤務体制となりました。家飲みが増えるも、まだインターネット販売システムが追いついておらず、売り上げは半減。その後すぐにネットショップ(ECサイト)を改良し現在は売り上げを取り戻しました。
 
 事業承継については未だ何も考えていませんが、いずれ引き継ぐ人には、創業者の想いとして『地元に根付く商品』を大切に育んでほしいです。さらに、原料も地元のものを使用するなど、地元の人と共に成長し続け、共に働く仲間と楽しくいい商品を造り続けてほしいと考えています。数年後には第2工場も検討しており、今後は事業承継も視野に入れた増員をする方向性です。
  昨年、廃棄するパンの耳を使ったビールを製造できないかとの依頼があり、今後は飲食店との繋がりで解決策ができればと、食品ロスの取り組みにも興味を持ち始めました。リサイクル瓶の導入も検討しており、将来的にはラベルも張らずに回収できればSDGsの新たな取り組みになると考えています。
 「大手のような大量生産ができない分、クラフトビールにしかできないことで皆様に楽しみ、喜んでいただける商品を造っていきたい」と語る鈴森会員は女性ならではの視野が広く、柔軟性を兼ね備えた経営者で、この先も新たなチャレンジで活躍されることを期待しています。

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